在宅医療を目指すのであれば、一つ覚えておいて頂きたいのが「一般的な勤務医の時と、在宅医療とでは、患者様との接し方が異なってくる」ということです。
具体的にはどういった部分が違うのか、その差異について、今回はご紹介をしてまいりたいと思います。

1、コミュニケーション能力について考えなければならない

まず、根本的な部分における違いがあるのですが、それは病院に患者様が来ているわけではなく、こちらが患者様の元に赴くということです。
これはただ接する場所が違うというだけではありません。

医師と患者と言えば、病院における距離感を感じるような接し方が一般的なものだと思われがちですが、在宅医療ということになるとそうはいきません。
一人一人の患者様に対してある程度親身になれるかどうか、デリケートな問題ではありますが、臨機応変な対応などが必要にもなってくるでしょう。

ただ病気を診るだけではなく、患者様の機微を捉えることも重要視されることとなるのです。
そのために必要となるのがコミュニケーション能力です。
この能力なくして、業務を達成することは難しいと思われます。

2、在宅医療の目的はただ病気を治すだけではない

QOL(クオリティ・オブ・ライフ)という言葉は皆さんもお聞きになられたことがあると思います。
一般的な診療と違いこの分野においては、もっとも重要視したい部分が患者様のQOLをどのようにして上げていくのか、ということなのです。

対象となる患者様の多くは、病院に行きたくても行く事が出来ない方であり、難しい病気を抱えていらっしゃる方も少なくありません。
そうなると、ただ病気の経過をみるだけではなく、心身のケアを行うようなスタンスで接する必要性も出て来るのです。

患者様は病気などで困っているのはもちろん、生活面において苦しい気持ちを持たれている場合も多いもの。
そういった気持ちをどのようにほぐしてあげられるのか、医師としてではなく、人として心から接することも必要となるでしょう。

クオリティ・オブ・ライフ(英: quality of life、QOL)とは、一般に、ひとりひとりの人生の内容の質や社会的にみた生活の質のことを指し、つまりある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、ということを尺度としてとらえる概念である。

引用:Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/クオリティ・オブ・ライフ)

3、ご家族のケアも重要視される

ただ病気を診ればいいわけではない、ということはお分かり頂けたと思いますが、もう一つのポイントがあります。
それは、患者様ご本人だけではなく、一緒に住んでおられるご家族のケアというのも、この分野においては重要だということです。

皆さんもご存知と思いますが、訪問診療や往診を依頼されるご家族の方というのは、何かの点において厳しい生活を送られている方も少なくありません。
それは主に患者様の介護や看病などで疲労している、という場合が多いかもしれませんが、いずれにせよ、ご家族様も患者様同様、できるだけ丁寧に接する心を持っていただきたいのです。
このような診療形態では、患者様のみならず、ご家族様からも信頼を頂く事で、初めてこちらが認めて頂ける、そういった部分があります。

その分、地域医療等に貢献したい、誰かの役にたちたいと考えている医師の方にとっては、とてもやりがいのあるお仕事だと言えるでしょう。