では、続いては在宅医療に関して、実際に受けられる患者様視点でみると、一体どのような状況であるのか、反対側からはどのような視点で捉えられているのかということを、少しお話してみたいと思います。

1、住み慣れた環境において医療を受ける事ができるというメリット

在宅医療を受けられる方にとって最大のメリットは、何よりもご自身が安心できる環境で治療を受けることができる、という点ではないかと考えられています。
病院への通院、あるいは長期入院ということになると、日頃の環境からは一変してしまい、心的な不安が募ってしまいます。

また、日常生活における制限が強くなることから、それを良しとできない場面も出てくるのです。
ところが、在宅療養に切り替えると、入院中は不安のために熟睡できない状況であった方が、自宅だから安らかに寝られる、食欲が増す等、治療という面からみても、成果が向上する要素は大きくなるというメリットがあります。

2、医師との信頼関係が全てである

在宅医療に関して、患者様がもっとも重要視するであろうポイントは”医師との信頼関係である”と多くの方が考えているようです。
実際に、現場で患者様の対応にあたる医師の多くも、そのように述べています。
誠実な言動と地道な努力を続けることで、ようやく患者様やご家族との信頼関係が構築されていきます。

お互いの信頼関係ができあがったところで、初めてケアができるといっても過言ではありません。
しかし、本来患者様にとって医師というのはそのような対象であることが当然なのではないでしょうか。

今のように大量生産品のように扱われることを元来患者様は望んでいない、そういったことが浮き彫りになっているようにも感じられるでしょう。

3、家族の負担が大きい、というデメリットも

入院しながらの治療と比べると、成果の面からは恩恵を感じやすいのですが、一方ではご家族様の負担が大きくなるというデメリットもあります。
例えば食事や服薬にかんするお世話など、身の回りに関するサポートがどうしても必須となるからです。

ただ、現在ではこのような点をデメリットとして強調されがちではありますが、従来はこのような状況が”当たり前”であった時代があります。
今の社会情勢からみれば負担になると感じてしまうかもしれませんが、改めて振り返ってみれば、実はそれほどデメリットと悲観的に捉える必要もないのかもしれません。

4、緊急時の対応には不安が残る

入院治療では緊急時の対応が可能ですが、在宅医療となるとそうはいきません。
かかりつけ医と上手に連携を取ることにより24時間スマートに対応できるサービスの提供に、尽力をつくそうとする組織は増加しているものの、当面は迅速な処置を期待することが難しい状況と考えられます。

医師視点で見る在宅医療

在宅医療に関する実態について、医師の視点でみてみると、実際にはどのような事が見えてくるのでしょうか。
これから医師転職の候補として在宅医を目指す方にとっては、”実際にはどうなのか”という部分が、最も気になるファクターの一つだと思います。
そこで、今回は医師にとっての在宅医療とはどのようなものであるか、その実態の一部をご紹介していきたいと思います。

1、収入も多くやりがいを感じる分野である

適切に人材を集められている医療機関の特徴は、医師を高待遇で集めているという特徴があります。
これから在宅医を目指すという医師の多くはこの分野に関する未知の可能性を感じているものの、一方では不安も抱えています。
在宅医療を担当している常勤の医師が常時連携内において3名以上とされる機能強化型在支援は、転職先に関して言えば根強い選択肢となっています。

一般の勤務医と比べれば収入も高く、医師として本来期待される役割を全うすることができる、そういった性質を持つ分野であることから、やりがいを強く感じることができます。
また、兼ねてより問題視されており地域医療に貢献できるという部分、医師として大きな達成感を得る事ができるのも、在宅医の魅力の一つと言えるでしょう。

2、一般の勤務医と比較して、多少の激務を行う可能性がある

在宅療養支援診療所の届出数が伸び、在宅医療に関する拠点は増加する一方ではありますが、在宅医は負担が大きいというイメージもあり、医師不足が続いていることは先にお話をした通りです。

ある統計では在宅医を希望する医師は全体の4%程度に留まるという数値も出されていますが、こういったイメージによって一つのキャリアを見逃しているのかもしれません。
実際には病棟ほどオンコール対応が多くない在宅クリニックも多く、多少の激務があるとは言われるものの、一般的な病院勤務と比べて激務か?と問われれば、その答えはクエスチョンだと考えられるでしょう。

3、実際の対応としては認知症患者が多い

在宅医療を望む患者様の多くが”認知症”を患っている可能性が高い、ということは今では広く知られている事実の一つです。
そのため、在宅医療に臨む医師はそれらに関する知識を充分に有している必要があると言えるでしょう。

基本となる3つの形態
・アルツハイマー型
・脳血管性痴呆
・レヴィー小体型


と3形態に分ける事ができる認知症ですが、診断を行うコツは主にご家族の方からエピソードをしっかり聞き取ることだと言われています。

そのため、適切に診断、ケアを行おうと思えば、一定以上のコミュニケーション能力が必要とされるのです。
このような病態の方に対して適切なフォローアップを行うためには、合併症の早期診断、行動・心理兆候への対応など、全身管理を行う為のスキルが重要とされるのです。