現在、”第三の医療”として日本中から注目を集めている在宅医療ですが、意外にもその実態をご存知でないという方も多いようです。
医師求人をみてみると、求人数も増加傾向にあり、一定以上の注目を集めている分野である事は間違いありません。
今回は、需要が拡大傾向にある在宅医療について、少しお話をしていきたいと思います。

1、在宅医療の推進は地域完結型医療への転換点

昨今まで、日本国内の医療に関してはいわゆる”病院完結型の医療”と呼ばれてきました。
しかし、進む高齢化社会の影響が大きく、国内の医療は様々な意味合いで転換するための方向性を模索しているように思われます。

地域完結型の医療というのは、患者様の住み慣れた地域、あるいは自宅での生活なども含め、医療及び介護、それだけではなく、住まいや自立した生活への支援などを含めた、地域レベルにおける包括的ケアと呼べるでしょう。

国民会議がまとめた報告書には上記のような内容がまとめられており、日本がこれまで提供してきた医療の提供体制に関して、見直しを提言するものとなっていました。
更に、高齢者が病院ではない環境において、診療及び介護を受けられるような体制を整備していく必要があるとも書かれています。
今後日本が進む方向性を考えれば、地域ごとに完結することが可能となる体制作りというのは、必須と言えるのではないでしょうか。

2、医師としてのやりがいを感じられる仕事

在宅医療には、本来医師にもたらされるはずであった”やりがい”が凝縮されていると言えるでしょう。
現在の診療体制では、外来にこられた患者様を機械的に検査し、あらかじめある程度定められた基準にそって、ルーチンのように治療を行う部分があると思います。
治療精度の高低はさておき、これでは医師が患者様一人一人をしっかりと診ることができず、どうしてもライン工程のように業務を進めてしまいがちです。

しかし、地域完結型の医療を想定した場合、医師の役割は大きく変わるのです。
今のような近代医療の形が広まる前は、昔ながらのかかりつけ医が地域ごとに存在しており、そこには医師と患者という垣根を越えた、人同士の繋がりが密にありました。

今ではそのような形の医療が珍しくなってきているのかもしれませんが、在宅医療の広まりは、かつての形を彷彿とさせるものと考えられます。
少しでも患者様と向き合い、その方の苦痛を取り除きたい。
そういった考えを持つ医師にとっては、これ以上、魅力的でやりがいを感じることができる仕事は少ないのかもしれません。

まとめると!

病院完結型の医療・・・患者様を機械的に検査し基準に沿って治療を行う機械的な面をもつ医療
地域完結型の医療・・・昔のような医師と患者の距離が近い心の繋がりが密な面を持つ医療

在宅医療を取り巻く現状について

現在、在宅医療を取り巻く状況は、厚生労働省が推進を行ってはいるものの、正直なところでは”実態ベースで考えると”在宅医療をスムーズに行うことのできる、地域完結型の医療が適切に行われている、あるいはニーズに対して満足していないと考えられています。

お役所きっての一大プロジェクトということで、確かにそれなりに予算が配分され、状況を整備するために様々な組織が結成されるなど、今後も進行を続ける高齢化社会に向けて、確かに道は舗装されつつあると言えるのかもしれません。

しかし、未だ現状としては、実際に在宅医療を望む対象の方々からの需要が拡大する一方で、患者様をケアするための人材が圧倒的に不足しているのです。
在宅での治療、ケアを望む患者様に関しては、ただ病気を治せばよいという問題には留まりません。

つまり、医師が自宅あるいは介護施設等に赴き、診察や治療をただ行えばいいという話にはならないということです。
個々人に対して、地域完結型における包括的ケアを行おうと思えば、個の組織レベルではなく、地域が一丸となって連携を取って行く必要があるということは、実際に現場で対応されている皆様にとっては日々痛感されていることではないかと思います。
では、これらの状況を踏まえた上で、現状について少し内容を整理してみたいと思います。

1、当面の大きな問題は人手不足

システムを一から構築していくためには、組織のスマート化が必須です。
既存の組織同士がうまく連携されれば、それは理想的な形と言えるかもしれませんが、ネットワークを上手に形成していこうと思えば、どうしても現状のままではうまく連携がとれない、といった状況が随所で発生してしまうことは容易に想像ができるでしょう。

しかし、何よりも当面の問題として上げられるのは人手が圧倒的に不足しているということです。
求人情報が多く流れているという現状があり、また、過疎化地域において特に需要が拡大していることから、医師全体を取り巻く一つの問題である”医師不足”問題とも緊密に関係していると言えるのです。

つまり、在宅医療を地域に根付かせるためには、医師不足の問題とも同時に向き合っていく必要があるのです。

2、労働環境における待遇は高い

人手不足を解消するための手だてとして、真っ先に上げられるのはお給料の改善、待遇の向上です。
どの業態であっても仕事である以上、真っ先に思い浮かぶのは待遇が良いのか、悪いのかということです。

しかし、現状では待遇自体は高いものの、それでも人が集まりにくい、あるいは定着しにくいという問題がこの分野において発生している問題です。
この問題を解消するためには、地域ごとによる医療格差問題を根底から解決するための、新たなシステム構築を検討する必要もあるのではないでしょうか。